もしも!の前に知っておきたいこと
葬儀の方針を決めるポイントは?
以前は、地域の慣例や家としての世間体を考えた葬儀が多く、故人らしさを表現することも容易ではなく、葬儀をおこなう場所も限られていました。しかし最近では、多様化したニーズに応える様々なカタチが存在します。まずは遺族側で、何を重視、優先するかを考えましょう。
1)
葬儀の形式は?
伝統的な葬儀形式(仏式・神式・キリスト教式 等)、無宗教式、その他
2)
葬儀の場所は?
寺院や自宅で営むか斎場(葬祭施設)又は、自治体のサービスを利用できる公的施設 等。
3)
葬儀の規模(予算を含む)は?
葬儀の規模(会葬者の人数・内容)は費用面にも大きく関係しますので、
故人の社会的地位や交際関係、経済的なことを総合的に考えて慎重に検討しましょう。
葬儀費用について
葬儀で実際にかかった費用の全国平均額は、財団法人 日本消費者協会(調査:平成22年3月ー6月)によると199.9万円(新潟・富山・石川・福井地区の平均額は221万円)平成19年の前回調査の全国平均額231万円からは減少。低額化傾向にあると言われますが…。不意に支払う側にすれば、かなりの高額な金額です。先日、消費者セミナーに参加しました際に葬儀の費用について参加者からは、「見積りを貰っても何を抑えればいいのか、分かり辛い」とか「思ったより実際に掛かった費用が多くなった」「葬儀一式 ○○円の広告を見て頼んだのに違った」という声も聞かれました。こういったことにならない為には、私たちは車や家を買う時に自ら足を運ぶように、葬儀費用についても事前に知識を得る必要があるのではないでしょうか。
葬儀費用とは?(一般的な仏式の場合)
葬儀にかかる費用は大きく3つに分かれます。
1)
葬儀の中身に掛かる費用
祭壇設営・棺・ドライアイス・枕飾り・後飾り祭壇・遺影写真・看板関係・受付関係
会葬礼状・人件費・会場使用料(葬儀社ホール) etc.
2)
葬儀社が手配して各業者へ支払う費用
飲食費(通夜ぶるまい・精進落とし・飲み物)
車両費(霊柩車・遺族らの送迎バス・遺体搬送)・火葬料・返礼品・香典返し etc.
3)
宗教関係者への支払い
寺へのお布施(読経料・仏名料・永代経料・お膳&車代)etc.
その他、関係者への心付けや親族の宿泊費等も。
金銭トラブルを回避する為のポイント
1)
総額費用を把握して予算を立てましょう。
葬儀社から貰う見積もりだけではなく、財布から出費する総額を考えましょう。
また変動する料金が何かを把握しておきましょう。
例/会葬者の人数で掛かる費用が変動…飲食・返礼品・香典返しの費用。
移動距離により費用が変動…車両費。
宗教関係者へのお礼が不明な場合は、寺院に直接尋ねるか、葬儀社や周囲に相談した方が良い。
(※宗派や寺院により考え方が異なります)
2)
お葬式の規模と予算を考えきっちり伝えること。(優先順位&考え方)
何を大切にしたいか、どこにこだわりたいかを伝え、必要でないものは省略することも必要。
(規模や葬儀のカタチにより、会葬者の人数も変動⇒香典による収入も変動)
3)
葬儀社からの見積りを確認すること。
葬儀社によって、セット料金に含まれている内容は異なります。セットに含まれるもの以外の追加項目も把握しておきましょう。
見積書の紙面上だけで判断できない項目は説明を求めましょう。
葬儀を執り行う側は、悲しみの中、慌ただしく様々なことを考え決断しなければなりません。地域慣例や故人の社会的立場や意思、親族の意見、一体どうしたら良いのかと疲労困憊してしまうという声も聞きます。納得できる“お葬式”にするためには、私たち自身が、葬儀の話題をタブー視せず、葬儀についても知識を得て、事前に情報収集&整理(家族で話し合う・事前相談の活用)等を行い、積極的に取り組む必要があります。
A)
基本的には避けなくても大丈夫ですが、気にされる場合は宗教者に相談をしましょう。
友引には「死者が友を連れていく」という意味から、お葬式を行わないほうがいいと昔から日本では考えられてきました。
しかし、友引は六曜の一つ。「勝負なし、供に引く」という意味で仏教とは関係がないのです。
とは言え、供に引く→死者が友を連れていくという発想から始まった友引に葬儀を行わないという迷信を現在も気にする方が多いのは事実です。
また、地域によっては火葬場が休みだったり、過去に友引が休みだったことから避けることが地域の慣例になっている為、火葬ができなければ葬儀もできないという事情もあります。
A)
宗教・宗派・宗教者の考え方によっても異なりますが、菩提寺に墓が有る場合は、
納骨のことを考え事前に菩提寺に相談しておいたほうが良いでしょう。
葬儀を別の寺院に依頼しても仏名は菩提寺に依頼します。
相談をしないで仏名をつけてしまうと菩提寺によっては埋葬をしてもらえない場合があります。
菩提寺がわからない場合は、葬儀社に相談して同じ宗派の寺院を紹介してもらうこともできます。
Q)
自宅に安置するときに、なぜ故人を北枕に寝かせるの?
A)
北枕の由来は、お釈迦様が入滅するとき、頭を北向きに、顔を西向きにしたその姿が由来とされています。
安置するお部屋の事情で北枕が難しい場合は、浄土があるとされている西を枕にすることもあります。
通夜までの流れ
大切な身内の方を失うということは、とても辛いものです。
けれど、悲しみに暮れる間もなく通夜や葬儀をいとなむ為に、準備すべきことがたくさんあります。
「当家、とり込んでおります為に失礼をお許し下さい」ばかりでは許されないことも多く、失礼のないように冷静な対応が求められます。
故人に、また、参列してくださる皆様に感謝の気持ちを伝え、後で悔やむことがないようにしたいものです。
もしも!危篤を告げられたら?
医師から危篤を告げられたら、本人が会いたいと思っている人や知らせたい人に連絡を。
知らせる範囲は、家族や親族(三親等が目安)、深い親交のある知人や友人、仕事関係(勤務先 等)ですが、本人の身になって考え、最期のお別れをして欲しい人に連絡をします。
連絡のポイント
1)
緊急事態の為、深夜や早朝であっても、電話でかまいません。
通常の挨拶は省いて、例/「深夜に恐れ入ります…」失礼を詫びます。
2)
駆けつけてきて欲しい場所(病院名・所在地・電話番号 等)や病状を手短に伝えます。
3)
相手が不在の場合は、緊急定文電報利用も。ファックスや電子メールは先方の確認が曖昧になりますから注意が必要です。
もしも!臨終を告げられたら?
医師から臨終を告げられたら、家族、親族、親交の深い知人や友人、勤務先関係者、葬儀などで世話になることもある隣近所や町内会に死亡を知らせます。
すぐに知らせる必要がある人と、通夜・葬儀の日程が決まってから知らせる人に分ける必要があります。
全てをひとりで連絡することは大変ですから、代理で連絡をしてくれる人を決め、依頼しましょう。
一般的な通夜式(仏式の場合)までの流れ
事前に準備はしたくないですが、思わぬ出費が多くなりますので、ある程度まとまったお金を用意すること。万が一のことを考え自宅の清掃や部屋の整頓、貴重品の整理をしておきましょう。
1)
遺体の搬送
故人の安置場所(自宅・斎場)を決め、搬送を依頼します。
病院で亡くなった場合は、病院出入りの葬儀社(搬送会社)が搬送することもあります。
葬儀社が決まっている場合は、病院にその旨を伝えます。
2)
遺族間で確認
葬儀に関する故人の遺志(遺言状やエンディングノート)があるか否かを確認します。
喪主を決めます。(一般的には、故人の配偶者→子→親、兄弟姉妹)
葬儀の形式・規模・予算を相談しましょう。
その後、葬儀社を選定、死亡診断書による死亡届の提出、火葬許可証の交付手続きをします。
(※葬儀社が決まっていれば許可証の手続きを葬儀社がしてくれる場合もあります)
3)
遺体の安置
故人を自宅、斎場、安置施設に安置します。
自宅に神棚がある場合は神棚封じ(白紙をはる)をし、忌中紙を玄関に貼ります。
遺体の傍らに枕飾りをセットします。
寺院に連絡し、葬儀の依頼(日時確認)と枕経を頂きます。
4)
通知
町内や会社(仕事関係者)に死亡、通夜・葬儀日程の連絡をして、受付の手伝いや参列の有無を確認・依頼をします。
5)
葬儀社との打合せ
通夜・葬儀の内容(日程、場所、規模)を具体的に決めます。
遺影写真や思い出の写真を選んでおきます。
その他、準備すること
香典返しの品、会葬礼状。飲食に関する事や供花・供物、初七日法要や納骨について。
通夜・葬儀の受付係 等、各世話係。通夜席順・焼香順、など。
こうした準備を行いながら、安置場所にて、遺族・親族が見守る中、故人の清拭や湯灌、お化粧と着替えを行い、棺に納め(納棺)、通夜式をいとなむことになります。
湯灌・納棺について
「湯灌と納棺」について、おくり人・株式会社ソワニエ 浅野 智美さん(現在 福井は勿論、全国の葬儀社にて納棺儀式の指導もされている納棺師です。)にお話しを伺います。
湯灌の儀式とは?
亡くなった方が、来世に導かれる為に現世の汚れを洗い清めるという意味と赤ちゃんが産まれたとき産湯につかるように、新たに来世に生まれ変わるために…という願いが込められています。
自宅・葬祭会館 ご指定いただければ湯灌専用の特殊車両で伺い室内にてお身体全身を洗い清めさせていただきます。
株式会社ソワニエの“ありがとう納棺®”とは?
映画を通して納棺師という仕事を皆様に知っていただけたことは有難いです。
納棺の儀式をさせていただく時間は、ご遺族と故人様の大切なひとときです。だからこそ、ご遺族の皆様とともに故人様に感謝の気持ちを込めたお支度をさせていただきたい。
長年暮らしたご家族との思い出に“ありがとう”の心を伝える時…。
私ども納棺師は、そのお手伝いをさせていただきます。
『ありがとう納棺®』ネーミングの意味は?
故人様のご遺族に対する感謝の気持ち、ご遺族の故人様に対する感謝の気持ち、そして皆様の大切なひとときをお手伝いさせていただける、私たちの感謝の気持ちを 込めています。
『ありがとう納棺®』の儀式とは?
特別教育を受けた専門スタッフが故人様のお世話をさせていただきます。
必ずご遺族立会い、参加いただき、大切なお支度を私たちがお手伝いいたします。
洗髪(ヘッドスパ)→清拭→手足のケア→ヘアセット→お着替え→シェービング→お顔周りのケア→お化粧→お棺に安置着物から見えるところだけを拭かせていただくのではなく、お身体全身を拭き清めさせていただきます。
生前のお写真やお話しを伺い髪型、お化粧もさせていただきます。
A)
はい。闘病生活が長かった方、お風呂に入れてあげたい!生前の美しい姿で…。
ご要望を葬儀社の担当の方に伝えて下さい。
A)
宗教や宗派、地域慣例によってお支度も異なりますが、
ご要望に応じて生前お召しの着物や洋服をお着せする技術も私どもでは習得しています。
仏衣(亡くなった方にお着せする着物)も選んでいただけるよう備えております。
Q)
「故人が生前に使われていた化粧品を使って下さい。」とか
「髪型は、眉は…こうしてあげて!」ということも依頼して宜しいですか?
A)
はい。できるだけ生前のお顔にさせていただきたいので、お写真を見せていただいたり、お話しをお聞かせいただければ有難いです。
「本当は、こうして欲しかったの…」と思われることが一番辛いです。
A)
通常は適温にする際、お湯に水を加えていきますが、湯灌(湯灌とは、ご遺体をお湯につけて洗浄する儀式)の際には、お水にお湯を加えてゆき調整をさせていただきます。湯灌は「逆さ水」という日常生活とは異なる作法で行います。
Q)
こうして欲しいという要望は立ち会っていて言っても良いのでしょうか?
A)
はい。勿論です。
例えば、腕があまり伸びないから優しくして。髪型にこだわりがあったから写真のようにして。
顔の血色が良くなるようにメイクして。など、さまざまなご要望を頂きます。
皆様のご要望に応えられるよう、弊社のスタッフは、日々 専門的な技術の習得をしています。
Q)
湯灌を希望される方が増えているそうですが、どういうご要望が多いですか?
A)
最近は、故人の生前のご意思で湯灌をご要望いただくこともあります。
また、闘病生活が長くて入浴できなかったから。お風呂が好きだったから。という理由で湯灌を希望される方もいらっしゃいます。
「病気で2年間、妻の手を拭くだけだったから…お湯で温めてあげたい」と、
大切に奥様の手を洗っていらっしゃるご主人の姿が印象的でした。
Q)
湯灌を希望したくても住まい(例/マンション 等)によっては、難しいですよね?
A)
2Fまででしたら、特殊車輌で対応させていただきます。
それ以上になりますと、ご自宅でお湯を頂いて湯灌をさせて頂くことができます。
Q)
亡くなった方が女性の場合、男性が納棺や湯灌の儀に立ち会って良いものでしょうか?
A)
御遺族からこのようなお声をよく頂きます。
私どもでは、故人様の性別に関わらず、肌を露出することなく清拭、洗体、お着付けさせて頂きます。
最後のお支度、ご遺族に参加いただくことに大切な意味があると思っておりますので、
ご家族にお立会い頂き、ご要望を伺いながらお支度を整えさせていただきます。
装いのマナー
弔事をいとなむ側・装いのマナーについて
喪服は、もともと喪に服する人、つまり遺族だけが着るものでした。
現在では亡くなった方に対する礼儀として、悼む気持ちをあらわし、葬儀・告別式に参列するだれもが喪服を着ることが一般的になりました。
慌てて駆けつけるという意味で、地味な服装であれば良いとされていた通夜でも、一般会葬者が喪服を着て参列されるわけですから、
弔問を受ける立場である遺族や親族は、通夜、葬儀・告別式を通じて正式または略式の喪服で臨むのが基本と言えるでしょう。
但し、どんな喪服を着用するかは、立場や場面によって異なりますから、遺族や親族は、喪主、世話役代表に準じた喪服を着用します。
男性の正式な喪服は?
正式礼装はモーニングコートですが、現在では準礼装のブラックスーツの着用が一般的です。
また、モーニングコートは昼間の礼装なので、夕方から行われる通夜では着用しません。
喪主ならびに世話役代表は、葬儀・告別式ではモーニングコートを着ます。(※ベストの白い襟を外す)
ワイシャツは白。ネクタイは黒無地の結び下げ。タイピンはつけません。
女性の正式な喪服は?
洋装/無地のオーソドックスなデザインのスーツやワンピース、アンサンブル 等。
但し、近親者でも若い方は準礼装(流行を適度にとり入れた派手になりすぎないブラックフォーマル)の喪服でも構いません。
和装/黒無地染め抜き五つ紋付。半衿、足袋の白以外は、小物も黒で統一します。
帯は袋帯の黒無地または黒の紋織を小さめのお太鼓に結びます。
帯締めの端は下向きにして、帯留めはつけません。
喪主でない近親者(女性)は地味な色無地と黒帯も立場別の装いとして着用します。
但し、和服を着ることが少なくなってきた現在では、喪主も遺族も洋装というケースがあります。
通夜では、洋装。葬儀では和装に着替える方が一般的には、多くなっています。
A)
亡くなった直後に、すぐに喪服を着る必要はありません。なるべく地味な服装に着替えます。(結婚指輪以外のアクセサリーをはずす)
できるだけ早く、通夜・葬儀で着用する喪服を用意します。レンタル&着付けの依頼をする場合は早めに葬儀社に相談しましょう。
(遠方から駆けつける親族にも相談&確認が必要です)
A)
現代でも、遺族側が白装束で送る地域がありますが、昔は服装でどちらが遺族か弔問客かが分かりました。
しかし、現在はどちらも喪服を着ているので、喪家側がリボンや喪章をつけることで区別がつくようになっています。
対応のマナー
弔事をいとなむ側として、遺族は悲しみに暮れてばかりいられません。やるべきことがたくさんあります。
とくに喪主(遺族の代表となる方)は、細かなことから大事な節目の挨拶まで様々な場面で役割があります。
こちらでは、弔事をいとなむ側として、通夜、葬儀・告別式(一般的な仏式)で、こんなとき慌てない。知っておきたいマナーについてご紹介をさせていただきます。
弔問客への対応について
失礼があってはいけないと弔問客への対応に動き回る方がいらっしゃいますが、喪主ひとりで段取りから進行までの全てを行うことは、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。
実務は世話役(受付・接待係※葬儀社の接待係も含む)の方に任せましょう。
通夜では、喪主や遺族が弔問客を出迎えたり見送ったりするために席を立つことはしません。(※葬儀社の担当者の指示で立礼や送礼が有る場合を除き)
遺族は、故人の代理として弔問を受ける立場にありますから状況により、可能であれば弔問客に感謝の気持ちを込めお礼を述べましょう。
言葉にならない場合や言葉を詰まらせてしまうような場合は深くお辞儀するだけでも失礼にあたりません。(黙礼だけでも構いません)
弔問客にお礼のことばは?
参列に対するお礼や生前の厚誼に対するお礼の気持ちを伝えましょう。
「早速のお悔やみ、恐れ入ります」
「生前は故人がお世話になり、誠にありがとうございました」
「ご遠路のところ、わざわざお越しいただき誠にありがとうございます」
僧侶への対応について※寺院以外で通夜、葬儀・告別式をおこなう場合
僧侶が到着されたら控え室へ案内、もてなします。
接待係から連絡を受けたら、まず喪主が挨拶をします。
「本日は、ご足労いただきありがとうございます。」
僧侶は、祭壇飾りの確認や進行の打合せがありますから、長話は避け、「本日、明日、どうぞ宜しくお願いいたします」と、心を込めて挨拶。
僧侶へのお礼(通夜、葬儀・告別式から初七日までのお経、戒名などの費用、お膳料など)を渡すタイミングや金額、包み方は、宗教・宗派・檀家での取り決め、宗教者の考え方、状況によって異なりますから、葬儀の依頼をする際に菩提寺であれば僧侶に直接尋ね相談してみましょう。
お世話になった方への対応について
受付や接待をお願いした職場の方や近所の方へは、後日(初七日までに)あらためてお礼に伺いますが、地域慣例や状況により、通夜ぶるまいの他にお弁当や食事で労を労う場合もあります。
霊柩車の運転手、マイクロバスやハイヤーの運転手 等、お世話になる方には心づけの用意を。
(状況により異なりますから、葬儀社の担当者に事前相談、アドバイスを受けましょう。)
心づけを包む場合、のしはNG。無地の白い封筒に「志」または「お礼」下に喪家の姓または喪主の氏名を「志」よりやや小さめに、毛筆か筆ペンで、ふつうの墨で書きます。(薄墨にはしない)
喪主のあいさつ
こちらでは、通夜、葬儀・告別式(一般的な仏式)の、喪主のあいさつについてご紹介をさせていただきます。
宗派や地域慣例、その時の進行状況によって異なりますが、弔事を執り行う側を代表して、また故人の代理として、大切な儀式の節目に喪主があいさつ(スピーチ)をします。
但し、喪主があいさつをできない状態の場合は、親族代表や世話役代表が代わってあいさつをします。
あいさつシーンは主に5つ。
1、通夜の読経後にあいさつをする
あいさつのタイミングは、状況により異なりますが、内容のポイントは3つ。長く話さず、心を込めて述べます。
1)
参列してもらったことに対するお礼
例/
「本日は、お忙しいなかご参列賜りまして、まことに恐れ入ります。
故人にかわりまして御礼申し上げます。」
2)
故人への生前の厚誼に対するお礼&故人のこと
例/
「○○は昨日、午後○時○分に、息を引きとりました。
生前のご厚誼に対しまして深く感謝しております。」
3)
今後の支援を依頼、改めてお礼のことばで結ぶ
例/
「残されました私たち遺族にも故人同様のお力添えをお願い申し上げまして、
簡単ではございますがごあいさつに代えさせていただきます。本日はありがとうございました。」
そして、翌日の葬儀・告別式の時間を述べ、通夜ぶるまいの案内をします。
(※福井では一般会葬者への通夜ぶるまいがない場合が多い)
2、通夜ぶるまいの席でのあいさつ
通夜がとどこおりなくすんだお礼を述べます。
都合により、通夜ぶるまいの席を設けない場合は、その失礼を詫び
「本来なら酒肴の場を用意して、故人の想い出話などをお聞かせいただきたいところなのですが、不行き届きで用意が整っておりません。あしからずご了承くださいますようお願い申し上げます。」
と、折詰やお酒などを持ち帰っていただきます。
3、告別式 4、出棺前のあいさつ
告別式で、僧侶の退出後に遺族代表が、会葬のお礼を述べますが、このあいさつを省き、
出棺の際のあいさつだけの場合もあります。
最近では、告別式で故人の想い出を綴った映像を上映したり、
喪主ではない遺族が故人のことを語る等、様々なあいさつに代わるカタチもあります。
出棺前のあいさつは、会葬のお礼・故人の最後の様子・遺族の現在の心境・故人への
生前の厚誼に対するお礼・遺族への変わらぬ支援を依頼・結びのことばで構成します。
5、葬儀後のあいさつ
最近では、火葬のあと遺骨を迎え行う「還骨法要」「初七日法要(※本来、死後7日目に行う)」を執り行い、
法要後に「精進落とし(※本来は忌明けに行う)」の席を設け、
葬儀でお世話になった方々を感謝の気持ちでもてなすことが多くなりましたが、
喪主は「精進落とし」の会食前後でお礼のあいさつをします。
「おかげさまで、とどこおりなく葬儀・告別式をすませることができました…」とお礼を述べ開会。
会食後に、改めてお礼を述べ納骨の日程 等を伝えます。
葬儀・告別式で、こんなときどうする?
遺族は、慌ただしい中でも、お葬式を滞りなく行う為に、葬儀社、世話役の方と綿密な打合せを行い対応していなかければなりません。
わからないことだらけのお葬式「どうしたらいいの?」と迷う時の対応ポイントは、
慌てず冷静に!不明な点は曖昧にせず、素直に質問する!勝手に決めない!相談する!
こんなときどうする?
Q)
生花や供物の並べ順や弔電の紹介順はどうする?
A)
生花・供物を並べる順序は、基本的に遺族側で指示を出さなければいけません。
一般的には近親者からのものは血縁の深い順番に。
一般(会社関係・諸団体・知人 他)からいただいたものは、故人との縁の深さや社会的な地位を考えて、棺に近い方から並べます。
お供えをいただくわけですから、近親者は後ろ、一般の方を優先しましょう。
花輪の場合は、玄関に近い場所を高位とします。弔電の読み上げも同様に考えて下さい。
Q)
喪主が高齢であいさつできない場合はどうする?
A)
喪主が、あいさつできない状況(高齢、若年、その他)の場合、親族の代表が喪主にかわってあいさつに立つというのが一般的ですが、
進行や状況より様々なカタチが考えられますので、葬儀社の担当者に相談しアドバイスをもらいましょう。
例/
喪主がお葬式に参列できない(故人の長男である喪主も入院中、仮退院で斎場の控え室に)状況にありました。
どうしても参列いただいた方々へお礼を述べたいとの喪主の希望を聞き、葬儀社の担当者はカメラを控え室にセット。
司会者がその旨を会葬者に伝え、告別式では式場内スクリーンに喪主のあいさつをライブで放送しました。
例/
故人の希望を尊重して、生前の映像とともに故人の手紙を代読され、皆様へのお礼のことばとされました。
Q)
いただいた香典にお金が入っていなかったときは?
A)
香典を整理していてお金が入っていないことに気付いたら、会計係か受付係の人に頼み
「恐れ入りますが…(事情説明)」と、先方に連絡してもらいましょう。
A)
菩提寺や宗派の本山、お墓などに納骨したい時、事情があって遺骨の一部を分けることを分骨と言います。
このような時は、事前に、葬儀社に依頼して別の骨壷や錦袋を用意してもらいましょう。
納骨時に「火葬許可証※火葬場で火葬済みの証印が押されて返された書類(埋葬許可証)」が必要になることがありますので大切にお持ち下さい。
葬儀・告別式の後に知っておきたいこと
お葬式を終えたからといって、大切な家族を亡くした悲しみが癒えるものではありません。対応に追われるお葬式を終えた後の方が、淋しさや悲しみがつのります。
そんな中、葬儀が終わっても遺族にはしなければならないことがたくさんあります。
法要などの仏事のこと以外にも、お世話になった方々へお礼を伝えるあいさつ回りに出向き、同時に、お葬式後の諸手続きを行います。
お葬式の後、世話役の方と葬儀事務の引継ぎを行います
世話役の方から引き継ぎをする内容は、会葬者名簿(弔問客の名刺も)・香典と香典帳・供物と供花の記録帳・弔辞と弔電・会計の収支記録書類(請求書や領収証) 等を受け取り、照合と確認をします。立て替えてもらっている場合は、先方からは言い出しにくいものですから、遺族側から申し出て早めに精算しましょう。葬儀社や飲食関係、宿泊や交通(タクシー代)関係 等から請求書が届いたら、請求明細書と見積書を照合して、不明な点は内容の確認後に支払いをします。忘れがちですが、葬儀にかかった費用は遺産を相続する際にかかる相続税の控除対象となりますので、領収証は必ず受け取り大切に保管しましょう。
あいさつ回りのマナー
あいさつ回りは、葬儀後、初七日(死後7日目)までにするものですが、必ず先方の都合を優先して訪問すること。そして、心を込めて感謝の気持ちを伝えましょう。
1)
宗教関係(寺院)へは、一般的に葬儀の翌日か翌々日にはお礼に出向きます。
(喪主と遺族の代表2名で。服装は喪服or準喪服or地味なもの)
2)
世話になった方々(世話役、町内やご近所、弔事をいただいた方)には、初七日までにあいさつに出向きます。
(服装は地味でシンプルなものであればOK。)
特に世話になった方には、葬儀当日に「御車代」や「御礼」として渡す場合もありますが、後日、出向く場合は、菓子折りなどを持参します。
但し、地域慣例や町内の取り決め 等の理由により金品は渡さない場合やタオルや石鹸、商品券 等の品を渡す場合もあります。
(相談が必要)
3)
故人が在職中であった場合は、職場へもあいさつに出向きます。事前に総務担当に電話を入れ、都合を伺います。
必要な手続きや書類についても確認しておくと良いでしょう。
(上司や同僚へのあいさつも連絡をして都合を聞いてから伺います。)
香典返しについて
香典とは、故人に対して、香の代わりとして供えるもので、遺族への不時の出費の相互扶助という意味もありました。本来は、お返しの必要はないものですが、現在は香典返しをすることが一般的になっています。仏式では、忌明け法要(四十九日)以降にします。※女性は五七日(死後三十五日目)をもって忌明けとする地域もあります。(忌中は、礼状や香典返しも控え、弔問に対する答礼は忌明け後にする)香典返しには、会葬のお礼と忌明けの報告をするあいさつ状を添えます。香典返しの金額の目安は、いただいた金額の3~5割。
香典の額に応じて、品物を分ける方法もあれば、金額にかかわらず一律のものを返す方法もあります。
※福井では香典の額に関係なく一律2,000円~3,000円の品物をお礼の気持ちを込めて、会葬礼状と共に葬儀当日に直接渡す香典返し(当日返しもしくは即日返し)が多いようです。
他地域の方は、「即日返しで返礼の品として商品券を渡され、驚いた」「香典返しを考えると香典3,000円の額では、申し訳なくて持っていけない」といった話しを聞きます。 後日、香典帳の整理をして発送するといったお葬式後の喪家の負担を軽減できますが、香典返しのとらえ方は地域慣例により異なります。
A)
以前は、残らないもの、食べるもの、消耗品(例/お茶・ハンカチ・タオル etc.)が一般的でしたが、
最近は、多様化して先方に選んでもらうカタログギフトや食器 等、実用品もあります。
A)
高額(3万円以上)な香典には、一律の香典返しでは気がすまないと、
忌明け後に改めてあいさつ状を添えて別の品を贈る(= 忌明け返し)方もあります。
但し、親族で高額の香典を包まれた方は、相互扶助の気持ちが強いと考えられますので、あまり金額にとらわれなくても良いでしょう。
A)
黒白結び切りの水引に「志」と表書きします。
但し、関西地方を中心とした近郊エリアでは「満中陰志」と表書きし、黄白の水引が多く使われます。
Q)
参列できずに香典(供花や弔電も)を送ってくれた方には?
A)
葬儀が終わったことの報告、気遣いへの感謝、生前の厚誼へのお礼を盛り込んだ忌明けのあいさつを兼ねた礼状を出しましょう。
高価な供物、供花に対しては三分の一ぐらいのお返しはした方が良いでしょう。
Q)
喪中はがきを出したら香典を持って来られた場合は?
A)
香典をいただいたら、一週間後を目安に先方に届くように香典返しをしましょう。
あいさつ状
あいさつ状は奉書紙一枚に薄墨で書いたものを奉書の一重の封筒に入れることが一般的ですが、葬儀社や専門業者に依頼すると、宗教・宗派・状況により異なる何種類かの文面例がありますので活用しましょう。最近では既製のものではなく、故人の写真や思い出を記したオリジナルのもの、洋型やアルバムタイプもあります。
以前、喪主より、印刷ではない直筆で綴られた会葬礼状をいただいたことがあり、心打たれました。
葬儀・告別式の後の諸手続き その1
遺族は、役所へ届け出て年金や保険の手続きを行い、不動産の名義変更(遺産相続)等複雑な書類作成も含め、関係各所で諸々の手続きを行います。
「支払う分は請求書が届くが、受給出来るものに関しては、申請制になっていて誰も言ってきてはくれない!何をどうしたらいいのかわからない!」という声をよく聞きます。
諸手続きの一般的な一覧表を葬儀社がくれる場合もありますが遺族の立場や状況により手続きも異なります。
また、提出書類も各市町村によって異なりますから、関係各所でひとつひとつ確認を行い申請漏れ(期限のあるものには注意が必要)のないようにしましょう。
遺族の負担を考えてチョッと豆知識
最近では、残された家族の負担を考えて、生前に自分自身のことを整理して書き留めておく人が多くなっているようです。
例/エンディングノート…預金・借入金(クレジットカードも)・生命保険・年金・その他の契約内容・菩提寺やお墓・お葬式の希望・関係連絡先 等をまとめておくもの。
お葬式後の主な手続き
○
葬祭費や埋葬料、等の受給申請、高額医療費の申請。
○
住民票や戸籍の変更、国民健康保険、国民年金、厚生年金、共済年金、介護保険 等の手続き。
○
名義変更をするもの(不動産・預貯金・株券・自動車・公共料金・その他)。
○
カード類の解約・身分証明書(運転免許証やパスポートも)の返却
これらの手続きや内容は立場や状況だけでなく制度の変更 等により、異なる場合もありますから、専門家や各担当窓口で相談・確認を行いましょう。
葬儀・告別式の後の諸手続き その2
「お葬式後に遺族がしなければならない手続き」について、司法書士の増田健治氏(簡裁訴訟代理認定司法書士・土地家屋調査士・行政書士)にアドバイスをいただき、ご紹介をさせていただきます。
「難しい、分からないから…」「時間が無い」では済まない諸手続き。遺族が高齢、核家族化、又、問題が複雑、このような場合は、専門家に相談・依頼したほうがよいでしょう。どんな手続きが必要なのか整理してみると主に5つの内容(年金関係・もらう手続き・引き継ぐ手続き・やめる手続き・相続手続き)が考えられます。
まず、司法書士とは?
司法書士法第3条に業務の規定があり、他人の依頼を受けて以下の事務(要約)を行うことを業務とします。
1.
登記又は供託に関する手続きについて代理すること。
2.
法務局又は地方法務局に提出する書類を作成すること。
4.
裁判所又は検察庁に提出する書類を作成すること。
これらの業務以外に、簡裁訴訟代理関係業務認定司法書士とは、簡易裁判所における以下に掲げる手続き(要約)について代理する事が出来ます。但し、訴訟の目的の価格が140万円を超えないものに限られます。
イ
民事訴訟法の規定による手続。(例外あり)
ロ
和解の手続き又は支払督促の手続。(条文省略)
ハ
訴え提起前における証拠保全又は民事保全法の規定による手続。
二
民事調停法の規定による手続。
具体的に、お葬式後の手続きで司法書士にどのような内容を依頼されますか?
相続登記手続きに関する依頼を多数受けます。被相続人(故人)の方々は生前、何らかの不動産(自宅 等)を持っていらした人が多いからでしょう。
1.
具体的手続きは、遺言書を作成したか、しなかったかにより異なります。
(1)
遺言書を作成した場合、以下の書類等で相続登記ができます。
イ
遺言書
ロ
被相続人死亡の戸籍謄本
ハ
被相続人から指定を受けた相続人の戸籍抄本、住民票
(2)
遺言書を作成しなかった場合、以下の書類等で相続登記をすることになります。
イ
被相続人の出生から死亡までの全部の戸籍(除籍、改製原戸籍等)
ロ
各相続人の印鑑証明・戸籍抄本・住民票
ハ
遺産分割協議書(司法書士で作成)
二
被相続人名義の固定資産証明書(不動産特定の為)
尚、これらの書類等は被相続人の預貯金の払戻し又は有価証券の名義書換えにも必要な書類です。
2.
上記相続登記手続きをいつまでに完了しなくてはならないという規定はありませんが、
放置しておくと相続関係が複雑、トラブルの原因になるので速やかに行いましょう。
3.
会社の代表取締役等役員が死亡した場合は、法務局へ死亡による役員変更登記が必要となります。
遺言書について
最近は、相続争いを防いだり、相続をスムーズに進めるため、遺言への関心が高まっていると言われます。
法的に有効な遺言書とは?(例/「生前、…と言っていたよ。」というのは)
遺言は法律(民法)の定める方式に従ってなされなければなりません。民法は、普通方式として3種。特別方式として4種の方式を定めています。
今回は、普通方式の自筆証書遺言及び公正証書遺言についてご説明いたします。
1.
自筆証書遺言
自筆証書によって遺言をするには、自分で遺言の内容の全文と日付及び氏名を書いて、署名の下に印を押さなければなりません。
例えば、日付を平成22年10月吉日と書いては無効となります。
尚、自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者がその場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、
かつ、その場所に印を押さなければ、その効力はありません。
自筆証書遺言の場合、相続の開始を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所へ提出して、その検認を請求しなければなりません。
2.
公正証書遺言
(1)
証人2人以上の立会いのもとで
(2)
遺言書が遺言の趣旨を公証人に口授し
(3)
公証人が遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ又は閲覧させ
(4)
遺言者及び証人が筆記の正確なことを承認した後、各自が署名押印し
(5)
公証人が、その証書は方式に従って作成したものである旨を付記して署名押印する
自筆証書遺言は自分で簡単に作成できますが、
方式を間違えますと無効となり又紛失したり、毀損したり偽造・変造される危険があります。
公正証書遺言は専門家が作成いたしますので無効となることなく、原本は公証人が保管するため、
受領した公正証書遺言書を紛失しても心配ありません。よって公正証書遺言をお薦めします。
注意することは、遺留分という制度があり、遺言をもってしても、その権利(遺留分)を奪うことはできません。
その割合は、直系尊属が相続人となるときは被相続人の財産の3分の1、
その他の場合は、被相続人の財産の2分の1とされています。
一人暮らしの伯母(高齢者)が認知症で判断能力が無くなってしまった。もしも…の時にどうしたらいいのか心配。
このような場合に「成年後見制度」があります。それには、「法的後見制度」と「任意後見制度」があり、「法的後見制度」には、その判断能力の程度に応じて後見、保佐、補助の3つの制度があります。
事例の伯母さんが認知症で判断能力が無くなっていますので、伯母さんは法律行為(不動産を売却、銀行等の預貯金の払戻し、遺産分割、各種契約等)ができません。伯母さんに代わって法律行為する成年後見人の選任を家庭裁判所に申し立てることができます。
成年後見人は、本人の財産に関する法律行為全般について包括的な代理権を有するとともに、その財産を管理する権限を有します。
通常は成年後見人には、親族が成年後見人になりますが、最近は身内がいない、子供がいても県外にいる、親族が成年後見人にならない等、依頼できる人がいない場合が多く見受けられます。家庭裁判所は、関係人から推薦された候補者(親族等)にとらわれず、いろいろな事情を考慮して成年後見人の選任をしますから、成年後見人候補者がいなくとも心配いりません。司法書士、弁護士等親族関係のない成年後見人を選任します。成年後見人に対する報酬は、本人の資産から支払うことになります。
「任意後見制度」について、簡単にご説明いたします。
判断能力の低下、痴呆症状の発病・悪化に備えて判断能力がある間に、自分自身で内容及び任意後見人を定めておく制度です。そのためには公正証書で任意後見契約を締結する必要があります。
増田さんからのアドバイス
1.
資産のあるかたは、その生前中に家族間の紛争防止のために公正証書の遺言書を作成することをお薦めします。
具体的手続きにおいて、他の相続人の印鑑証明、実印を貰うことなく相続手続きが完了するからです。
2.
資産より負債が多い場合は、相続放棄の手続きを考えるべきです。その期間が3か月であることを忘れないように。
3.
相続登記手続きをいつまでに完了しなくてはならないという規定はありませんが、
放置しておくと相続関係が複雑、又はトラブルになる可能性が多いので速やかにするように薦めます。
4.
判断能力の低下、痴呆症状の発病・悪化等で本人が財産に関する法律行為及びその財産を管理することができなくなった場合、
成年後見制度があることを覚えておいてください。成年後見人を頼める親族等がいなくても心配いりません。
葬儀・告別式の後に…忌中と喪中の過ごし方
近親者が亡くなった場合に、一定の期間、喪に服して身を慎むことを「忌服」or「服忌」と言います。「喪中」の期間は「忌」と「服」に分けられ、「忌」の期間を「忌中」とし「忌明け」は四十九日をもって行い、「服」の期間は一年(一周忌まで)といわれます。期間やどのように過ごすか(慎むか)ということについては故人との縁故関係や宗教、宗派、物事によって考え方が異なります。
忌中と喪中の過ごし方について
喪に服している間(喪中)は、祝い事への参加を慎み、年賀状、正月飾り、初詣といった新年の行事も控えるのが一般的だといわれています。とくに「忌明け」まで(地域によっては百か日)は、結婚式や祝賀会に招待されても出席を控えます。
喪に服する近親者とは、配偶者と一親等(父母・子)、二親等(祖父母・兄弟姉妹、孫)の血族が目安。(※故人が姻続でも、一親等で同居していた場合は喪に服すこともあります。)
チョッと豆知識
昔は、この「忌服」には細かい決まりがありました。法律(明治7年太政官布告『忌服令』)で故人との続柄により忌(忌中)服(喪中)の期間が義務付けられ、おおまかにいうと忌は自宅に謹慎する期間。服は喪服を着用する期間とされていました。
例/夫が亡くなった場合、妻は50日間忌中13ヶ月間喪中。妻が亡くなった場合、夫は20日間忌中90日間喪中。
家にこもって過ごし、酒肉を断ち、弔せず、賀せず、音曲をなさず。嫁とりをせず、財を分かたず、というようなしきたりがあったようです。
こうした法令は昭和22年にすべて廃止されています。現在は忌中・喪中の規定はありません。しかし、喪に服するために会社や学校を休む日数(忌引)は、各企業や団体の服務規定(官公庁服務規定による忌引期間を参考にした忌引休暇)に従い、その後は平常な社会生活に戻るのが一般的です。
Q)
故人が二親等で同居していなかった場合も、正月飾りや年末年始のあいさつ回りを控えた方が良いの?
A)
考え方によると思います。最近では、普通にお正月を迎えることも多くなっています。
親族で相談された方が良いでしょう。
Q)
「喪中」ですが、親しい友人から結婚式に出席して欲しいと言われましたが、出席しても良いでしょうか?
A)
不幸の前から予定されていた慶事の場合、先方に伝えてから(相手側の了承を得て)出席する場合もあります。
A)
古来より日本では、「死」をおそれ「ケガレ」と考え忌んできた風習があります。
「忌中」というのは、自分が「忌むべき状態にある」という事をいいます。
「狩り」や「釣り」等の殺生を避けるべき…という考え方もありますが、事情によりとらえ方は異なると思います。
葬儀・告別式の後に…喪中ハガキ
一般的には、二親等以内の親族(配偶者・父母・子ども・兄弟・姉妹・義父母 など)が亡くなってから一周忌までを「喪中」とします。「喪中」は年賀状も出しません。
そこで年賀の欠礼をわびるあいさつ状(喪中ハガキ)を送ります。
喪中ハガキのマナーについて
○
誰が・いつ、亡くなったのか(誰の喪に服しているか)を明記します。
○
葬儀社の担当者に相談したり、印刷専門店で文例を選び、喪中ハガキを制作します。
続柄 等の間違いが無いように注意しましょう。
○
年賀状の受付けが始まる前(12月の初旬)には先方に届くように送ります。
(注意)喪中ハガキの手配は、一期間に集中し納期に日数がかかる場合があります。
葬儀終了後、早めに手配されるほうがよいでしょう。
その他、気をつけたい内容
故人が二親等であっても、同居していなかった場合や、職場関係など相手が故人を知らない場合は、年賀状を出すこともあります。
年末に不幸があって年賀欠礼が間に合わないときには、松の内(元日から7日、または15日まで。)が明けてから「寒中見舞い」として欠礼のあいさつをします。
文例/ 寒中お見舞い申し上げます
新年早々お年賀ありがたく頂戴いたしました
当方からご挨拶申し上げるべきところ
喪中につき年賀状を差し控えさせていただきました
ご通知が遅れましたこと どうぞお許し下さい…
喪中と知らずに年賀状を出してしまった場合の詫び状も、寒中見舞いとして出します。
詫び状の場合、「拝啓」などの頭語や気候の挨拶文は省略します。末尾文も不要ですが、お悔やみ状では「合掌」を使う場合もあります。
文例/ 先日は、ご服喪中とは存じませずに賀状をお送り致しまして
誠に失礼いたしました
ご冥福をお祈り申し上げるとともに深くお詫び申し上げます 合掌
Q)
近くに住む義兄(配偶者の兄)が亡くなった場合、喪中ハガキは出した方がよいのか?
A)
喪中ハガキを出すのは二親等以内の血族姻続であり、かつ同居または同居に準ずる方が亡くなった場合が多いようです。
この場合は、二親等で同居に準ずる方が亡くなられたので、出した方がよいでしょう。
Q)
八月に実家の父が他界。喪中ハガキを夫との連名で出そうと思っております。
送る相手ですが、親族や葬儀に参列いただき喪中であることを知っている人にも送るの?
A)
喪中ハガキを出す『相手』は、基本的に、例年、年賀状のやり取りをしている方に出します。
葬儀に参列いただいても年賀状のやりとりをしているかどうかを基準に喪中ハガキ(年賀欠礼のあいさつ)を出しましょう。
しかし、身内(親兄弟、普段から親身に交流している親族)には、不幸があったことをお互いわかっているので出す必要はありません。
(他人行儀なあいさつだと気分を悪くする方もあります)
但し、地域・宗教により服喪期間は異なります。また、状況や立場・関係により、どのように考えるかといった習慣などの違いもありますから、出すか出さないかの判断はケースバイケース。
実際には、家族間で相談して決められたほうが良いでしょう。
喪中ハガキは出さなくても、寒中見舞いのあいさつ状として出す方法もあります。
Q)
夫婦連名で喪中ハガキを出す場合は、続柄はどのように書けばよいのか?
A)
ご主人のほうの続柄に合わすことが一般的です。
亡くなった方の名前をフルネームで記載(苗字まで入れば、亡くなった方がどちら側の親族かわかりやすい)することをおすすめします。
Q)
兄弟が亡くなり、自分は会社の社長をしているが、会社からの年賀状は出してもよいのか?
A)
会社には喪中がありませんから、個人的に喪中であっても、会社関係の年賀状は出されてよいでしょう。
但し、故人が役職にあった場合、会社としてお取引関係先に喪中ハガキを出します。
Q)
喪中ハガキに年賀状に添えるようなコメントは書いてもよいのか?
A)
親しい方やお世話になった方など、ひと言、添え書きをする事は礼儀上、OK。
但し、新年のお祝いや遊びの話しは慎むべきでしょう。
A)
年賀状と違って、暑中見舞いは季節のあいさつ状ですから、「喪中」でも出してかまいません。
葬儀・告別式の後に…お墓のこと
「お墓のこと」について、お墓さんのかじそ 常務取締役 小澤 雄三郎氏にアドバイスをいただき、ご紹介させていただきます。葬儀についての考え方の変化と共に“お墓”についての考え方にも変化が見られます。従来の家墓のほか、個人墓(個人が自分のために建てる)、夫婦墓(夫婦二人だけの墓)などもみられるようになり、核家族化、少子化時代を迎え、生前に自分のお墓を準備する方も増えています。
墓地について
Q)
お墓が無い場合、新たに墓地&墓石を購入しますが、まず、墓地を求めるにはどうしたらよいのか?
A)
墓地には、「寺院墓地」「公営墓地(霊園)」「民営墓地(霊園)」「集落墓地」等があります。
「寺院墓地」は各寺院へ。「公営墓地(霊園)」は行政へ。「民営墓地(霊園)」は各販売管理会社へお尋ねになるのがよいでしょう。
その際、それぞれ管理や施設の状況、申し込みをしてから購入できるまでの時期などをよく確認して、選びましょう。
(確認事項/墓地の使用規定・管理料・支払い方法・墓石の規定・使用権・将来の譲渡etc.)
一般的に『墓地を買う』といいますが、『墓地を買う』とは、宅地を購入するときのように所有権を得ることではなく、
墓地を借りて永代使用料を払う事をいいます。
(永代使用料とは、永代にわたって使用する権利を取得する為に支払うもので、一回払えばよいものです。)
また、購入後も墓地や霊園を維持、管理してもらう為の料金(管理料)を、納める(一般的には年一回)必要があります。
個々の墓所内は各自が清掃するなど、管理に務めなければなりませんが、墓地内の道路・水道・電気など
共有部分はその管理料などで賄われるのが一般的です。
お墓について
Q)
お墓を建てる時期はいつが良いのか?どのくらいの期間で完成するものなのか?
A)
お墓を建てる時期に一定の決まりはありません。お盆・お彼岸・法事にあわせて建立される方が多いようです。
お墓を建てるにあたって要する日数は、ご契約から建立完成までおよそ一ヶ月以上はかかります。
予定をよく考え合わせて早めに準備をされることをおすすめします。
A)
北向きに建てると良くないという方もありますが、
日当たりの悪い暗い場所は、日が当らない分、石の劣化を防ぎ、 墓石を長持ちさせる良い場所ともいえます。
現在、一番ポピュラーなお墓は「和型の三段」という型のものですが、デザイン墓も登場し、形や色の好みも多様化しています。
そもそも、仏教ではどの色が悪いという思想はなく、どの色も大切だと考えられています。
ですから、色の良し悪しを気にする必要はないでしょう。
その他
A)
お墓の継承は、墓所の使用名義人が指定した人ならば親族以外でも継承できます。
少子化の影響で、お墓を継承することに対して不都合が起こる可能性がある場合は、申し込みにあたって注意が必要です。
(最近では受け入れない、または一定の条件付で受け入れをする霊園もあります。)
Q)
一人っ子同士の結婚。将来、どちらかの実家の墓が「無縁墓」になることも考えられます。この場合は、どうしたらよい?
A)
「両家墓」や「永代供養墓」という選択方法もあります。
「両家墓」とは、同じ墓地に両家のお墓を並べて建てる、または一つの墓石に両家の姓を入れるお墓です。
「永代供養墓」とは、寺院に永代にわたる供養を依頼、寺院が管理や供養を一定期間引き受けるというものです。
葬儀・告別式の後に…仏壇のこと
「仏壇のこと」について、かじそ仏壇 営業部長 勝矢 雅章氏にアドバイスをいただき、ご紹介させていただきます。
仏壇の基礎知識
仏壇の形や飾りは、仏壇の段数・宗教・宗派・地域(地域の伝統や文化を反映)によって異なります。福井県でも、各宗派によって仏壇の型が多少異なります。真宗の型の仏壇でも三通りあります。東派用・西派用・高田派用・等、真宗以外でも、一般的にお飾りや位牌を置く為の段数の多い仏壇を使用します。法華宗・日蓮宗、等は、出仰門と呼ばれる柱のない仏壇を使用する方もあります。現在ではライフスタイルによって、選ばれる仏壇の大きさも様々ですが、材質も金仏壇・唐木仏壇・家具調仏壇と様々です。安置する場所は仏間ですが、仏間が無い場合や和室も無いという家も多くなりました。そのような場合は、リビングでも構いません。本来、お給仕のしやすい場所(皆が集まる場所)の方が良いともいわれます。
仏壇を購入する時に知っておきたいこと
本来、仏壇を購入する時期に決まりはありません。新しい年を迎えるので、仏壇もリフォームや買い替えをする。あるいは、家の新築に合わせてという方もあります。仏壇を購入する時期としては、「購入したい」と思った時が一番良いのかもしれません。
購入する前にすること
まず、仏間がある方は、仏間の寸法を確認 → 自分の家の宗教を確認 → 御手次のお寺を確認 することをお勧めします。
仏壇選びのポイント
自分の宗派にあった仏壇を購入することが一番良いとされますが、好みもありますので日々お参りをしていて一番自分の気持ちが和む仏壇が良いのではないでしょうか。人に見せるためのものではないので、仏壇に見栄を張る必要もありません。
Q)
仏壇のない家で不幸があった場合はどうすればよいか?
A)
まず、枕勤めがありますので、葬儀社が決まれば、担当葬儀社に宗派にあった仏様を借りることもできます。
葬儀後、気持ちが落ち着いてから仏壇屋で宗派にあった仏壇を購入すれば大丈夫です。購入は、忌明け前でも構いません。
A)
現在は、法名軸か過去帳をご本山が薦められます。
これは、仏壇への考え方ですが、仏壇は仏様を通して、私自身を見つめ直す場、仏法を聞く場として捉えるからです。
先祖崇拝でなく、今、生きている私、この私が仏教にどう関わっていくかなのです。
難しいかもしれませんが、位牌は崇拝対象でなく記録として捉えるのです。
A)
仏壇のリフォームとは、仏壇の汚れを落としたり(長年の線香のすすや蝋燭のすす)傷ついた仏壇の木地を交換したり、漆を塗り直したり、金箔を張り替えたり、蒔絵を描き直したり、金具を洗浄、色つけを直したりすることです。
仏壇がよみがえり、また何十年もお参りできるのです。
葬儀・告別式の後に…法要とは?
法事と法要は違うの?という方がいらっしゃいますが、厳密にいいますと、僧侶にお経をあげてもらうことを「法要」といい、故人を偲び、冥福を祈るために営むものです。法要と後席の食事を含めた行事を「法事」と呼びます。
最近は、法要会館(葬儀社 等が運営する)を利用してプロのアドバイスやサポートを受けて営むことも出来ますが、法要を自宅や寺院で行う場合は、親戚、地域のお手伝いがあったお葬式と異なり、自力で仕切らなければならないことが多く、いざ準備する段になって、内容(費用も含めて)やマナーに戸惑ったという話しをよく耳にします。
法要について
仏教では、法要を行う日が決まっています。法要には、死後七日ごとに追善供養として四十九日まで行う「忌引法要」と「百か日法要(死後100日目)」。一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌などの「年忌法要」があります。
本来、死亡した日から数えて、7日目に営む「初七日法要」は、最近では、葬儀当日に行うことが一般化しています。(遠方、多忙な方々への配慮から)福井でも火葬後の精進落としの後に、お寺で納骨と一緒に繰り上げて行う場合が多くなっています。それ以降、七日ごとの二七日、三七日、四七日…の法要と百か日の法要は、内輪だけで営むのが一般的です。但し、亡くなってから四十九日目(三十五日で忌明けとする地域も有り)に行う「四十九日法要」は、一周忌までの法要の中で、最も重要な忌明け法要とされ、近親者、友人、知人を招いて僧侶に読経をしてもらい、法要の後は精進落としの料理でもてなします。(最近では、日にこだわることなく、参列者の都合を考慮して近い日や四十九日直前の日曜日に行う場合が多い)
年忌法要について
亡くなった翌年に「一周忌」、その翌年(死亡年を含めて3年目、死後満2年目)に三回忌、その後、七・一三・十七・二十三、二十七、三十三、五十、百回忌を営むことになりますが、一般的には三十三回忌までで切り上げ、その後は先祖代々の法要としてまとめて営みます。
一周忌、三回忌は、近親者や友人、知人を招いて営み、七回忌以降は内輪で営む場合が多くなります。年忌法要は故人の供養をすると同時に、集まった方々で故人を偲び、故人亡きあとの遺族の様子を知ってもらい、交流を深める大切な意味もあります。
葬儀・告別式の後に…法要の準備&マナー その1
そもそも法要とは、仏になった故人を供養するという意味の仏教用語です。法要は故人を偲び、冥福を祈るために営むものなのです。そして、故人が結んでくれた人と人とのご縁を再確認し、故人へ「ありがとう」の感謝の思いを新たに、遺族も参列者も自分自身を見つめ直す場でもあります。その法要(法事)の場において、知らなくて分からなくて失礼をしてしまったり、トラブルになってしまっては困りものです。
法事では僧侶に読経してもらい式の終了後には会食の席を設け、僧侶と招待客をもてなします。いつ頃から準備すればよいのか?案内状はどのように書けばよいのか?会食も含めて何をどのぐらいの予算で用意すれば失礼にあたらないか?宗教者への謝礼は?服装は?あいさつの内容は?お葬式と同様に、誰にも聞けず戸惑ったという話しをよく聞きます。宗教、宗派、宗教者の考え方、地域の慣例により内容が異なる場合がありますが、一般的な法要の準備&マナーからご説明します。
法事の準備&マナーについて
1)
日程&場所は?
日程は、菩提寺(僧侶)の都合を確認の上、早めに決めましょう。
年回忌法要は祥月命日に行いますが、参加者の都合を考慮して日をずらす場合は、命日よりも前に行います。
場所は、寺院、自宅、斎場や法要会館。最近では、法要後の会食の場所に、ホテルや料理屋を利用する場合もあります。
場所を決める際には、招く人の範囲や人数を決めてから手配したほうが良いでしょう。
2)
お招きしたい方に案内状または電話で連絡をする(※相手の都合もありますから1ヵ月前迄には連絡を入れましょう)。
近親者だけですませる法要ならば、電話連絡でもかまいませんが、大きな法要を営むときはハガキや封書で案内が必要。
出欠の返事をもらうために、往復ハガキや返信用ハガキを同封して送ります。
☆
作成の際のポイント
・
・
案内文は簡潔に必要なことを記しましょう。
内容は、時候のあいさつ、誰の何回忌か、日時&場所、平服でよい場合はその旨を明記します。
文例/謹啓 初冬の候 皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
さて、来る○月○日は亡父○○の○回忌にあたります。
つきましては、○月○日(○曜日)午前○時より、菩提寺の○○寺において法要を営みたいと存じます。
ご多用のところ誠に恐縮ではございますが、ご光来を賜りたくご案内申し上げます。
なお、法要の後に粗餐を差し上げたく存じますので、
勝手ながら同封の葉書にて○月○日までにご返信お願いを申し上げます。
敬具
・
返信葉書の表に返送先の住所、氏名を書き、裏には出欠に○がつけられるようにしておきましょう。
自宅以外の場所で営む場合は地図・電話番号も添えましょう。
3)
出欠を確認できたら、引き出物&会食(料理や会場)の手配をしましょう。
※会食などの接待をしないときは、折り詰めを用意する場合もあります。
4)
お布施(寺院への謝礼)やお供え物、送迎の車代の用意をします。
※寺院で法要を行う場合には、用意するもの(例/花・供物)を確認しましょう。
※法要後の会食に僧侶が欠席される場合は「お膳料」を用意しましょう。
※僧侶に自宅や墓地まで出向いてもらった場合、送迎の有無にかかわらず、「御車代」を渡します。
その他の準備
法要当日までに「お墓」や「仏壇」その周りも綺麗にしておきましょう。その他、準備に際して戸惑ったときには、菩提寺に直接尋ねてもよいでしょう。また、檀家や地域の年配者、親族に相談をして準備を進めましょう。
服装は?
一般的に施主(法事を行う当主※一般的には葬儀の喪主を務めた人)は三回忌までは正式な喪服を着用します。それ以降は地味であれば平服で構いませんが、一般の参列者よりもくだけた服装にならないようにしましょう。
葬儀・告別式の後に…法要の準備&マナー その2
法事の進行について
法要の進行は、僧侶の指示に従います。読経の途中で焼香の合図がありましたら、施主側の代表者から、故人と血縁の近い順に焼香をします。一般的には、法話をいただき墓参り→会食(お斎)と続きます。会食を始めるとき、施主または遺族代表が挨拶をし、終了のときも施主が挨拶をします。僧侶が出席された場合は正客となります。友人・知人の挨拶や「献杯」の発声をもらうこともあります。
施主または遺族代表の挨拶のポイント
1)
始めの挨拶は、お礼のことば「本日は、皆様お忙しい中を亡き○○の○回忌にお参りいただきまして、ありがとうございました。」
故人亡き後の遺族の様子や故人のことを語り、
「ささやかではございますが、お食事をご用意いたしました。お時間の許す限りごゆっくりご歓談くださいまして、
故人の思い出話などもお聞かせいただければ幸いでございます(お礼)」。
2)
終わりの挨拶は、
「まだまだ皆様のお話しをお聞きしたいと存じますが、そろそろお時間となりましたので、これにてお開きにしたいと存じます。」
今後も遺族に対して変わらぬお付き合いをお願いし、お礼の言葉で結びます。
法要の引き物について
法要のあとで、招いた方に差し上げる手土産(引き物)は、そろそろ終了というタイミングを見計らって配ります。引き物には消耗品や日常の実用品が良いとされていますが、最近では、故人の好きだったものやカタログギフトを選ぶ方も多いようです。心からのお礼の気持ちを込めて選びましょう。引き物には、黒白か黄白(西日本地域)の結び切りの水引の掛け紙(印刷でもOK)をし、表書きは「粗供養」「志(宗教を問わずに使えます)」「茶の子(関西地域)」などとします。※四十九日の法要は「満中陰志(関西・中国・九州 地域)」
Q)
三回忌法要の僧侶に対するお礼(お布施)は不祝儀袋?
表書きは薄墨で書いて新札をお包みすればいいの?
A)
お布施は、奉書紙に包むか、白無地袋に入れます。寺院の活動にあててもらう意味を込めて「御布施」とふつうの墨で書きます。
お寺に不幸があったわけでもないので、薄墨で書く必要はありません。お包みするお札は新札のほうがよいでしょう。
また、僧侶にお渡しする際は、直接手渡しではなく、お盆やお盆代わりの菓子折りに乗せて差し上げると丁寧です。
Q)
ご先祖さまの年忌法要を合同で一緒に営んでもよいか?(例/祖父&父 等)
A)
同じ年にご先祖さまの法要が重なる場合があります。個別に行うのが望ましいですが、遺族や参列者にとっても何かと負担になります。
そのために、二つの法要を早いほうの命日に合わせて、同じ日に営んでもよいといわれています。(併修といいます)
但し、亡くなってからまだ年数が経っていない場合(三回忌まで)は、個々の故人を尊重して別々に行います。
まとめて営む場合の引き物かけ紙の表書きは亡くなった順に記します。
Q)
法要に出席いただいた方に、お食事と引き物はお渡ししたが、
高額な金額を戴いた場合、別のお礼を後日、お渡ししたほうがよいか?
A)
これまでのお付き合いや親族間の相互扶助の思いもありますので、一般的には引き物で済ませることが多いようです。
もしも気になるようでしたら、法要後(1週間ー10日後)に先方に届くように送ります。
その場合、黒白の結び切りのかけ紙に表書きは「御礼」とします。